どんぐりぐりぐり どんぐりこ
私は風の吹くところが好きなのですが
ー特に大好きなのは、嵐のような暴風(雨はなし)ー
皆さんはそんなお天気好きですか?
子どもの頃。
一階に住んでいた私は、外の不穏な気配を感じとると、すぐさまベランダから飛び出していました。
今にも降り出しそうな鉛色の空模様と、
雲をぐおお、ぐおおと押し混ぜながら吹き荒れる風の強さ。
葉は千切れ、木々は見えない大きな手によって弄ばれるかのように上へ下へと揺れる。
少しのハラハラ感と、湧き上がるワクワク感。
そんな景色の一部となり風に取り巻かれている時私が感じていたのは、
「ここではないどこかへ連れて行ってもらえる」ような、
あるいは「何かが始まるのではないか」といった、そんな予感でした。
家の中でも、風というか、
空気の動きを感じられないと少し息苦しい気がして。
今の時期は扇風機、もう少ししたらクーラーが活躍してくれることになります。
そして、ひととひととの間にも風通しの良さというか、
空気の流れ、循環のようなものが必要なのだなぁと改めて思い出させてくれたのが、
吉本ばななさん著『どんぐり姉妹』でした。
最近、雨風が強い台風みたいな日が続いているせいか、やけにあの頃のことが思い起こされます。
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吉本ばなな『どんぐり姉妹』
新潮文庫 2013年8月1日初版
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